これからデザイン書道を始めたい初心者の方や、基礎的な部分をもう一度振り返ってみたい方など内外から28名が受講しました。
デザイン書道も時代のブームと共に多様化し、最近では一般の方にも筆文字に大変関心を持たれてきました。中川氏は「こんな時こそ原点に立ち返り、堅固な基礎技術が大切、その必要性からデザイン書道とは何かを考え、私たちデザイン書道家のスタンディングポジションをもう一度良く認識していただきたい」と話した上で、デザイン書道の定義や目的、デザイン書道に大切な要素など、基本的なポイントの再確認を具体的に示していきました。
「オリジナル性を必要とするデザイン書道では文字のデザインが大事」
「広告界に属するデザイン書道は目を捉える要素や一瞬の可読性・インパクトが必要」
「文字の構成の工夫・バランスのとり方など徐々に完成度を高めることが必要」
講義ではそのコツを段階的に解説。
実技ではイメージを表現するのに一番大切な線質から、代表的なイメージに合った「優雅で上品なイメージの線」「大胆で力強いイメージの線」「温和で可愛いイメージの線」「質素で素朴なイメージの線」の4種類の線質の書き分けを行ないました。
意識した書き分けは、デザイン書道に向かうための基礎的な要素となります。また、デザイン書道に適した始筆・送筆・終筆・筆脈の感覚を掴むため、腕と身体の動きや呼吸方法など、バランスを保つための練習方法や筆の運び方をそれぞれの個性や経験にあったアドバイスを行ないました。
実際の仕事を仮定し、求められるイメージやコンセプトを自由自在に表現し、対応力をつけるための実践練習へ。これまでの4種類の線質イメージにあった表現をもとに、カタカナを用いた練習です。最後は、同じ言葉の店舗ロゴを全く違うイメージの2つの店舗ロゴに書き分ける練習です。