第14回日本デザイン書道大賞
優秀賞「雄町」
商品ラベル
この度は、光栄な賞を頂きありがとうございました。また今後の活動の励みにさせて頂きます。この文字は梅乃宿酒造(奈良)「雄町山廃純米吟醸」のために制作したものです。「雄町」は、酒造好適米として有名な「山田錦」の曾祖父にあたる優秀な米で、その味わいなどが見直されて再び生産されるようになった米です。クライアントからの意向は「原料である米を堂々と表現すること」でした。酒造好適米の雄に相応しいよう、特に書には力を注ぎ、筆を変え、筆圧を変え、もくもくと10種類ほど制作したことを憶えています。終えて、頭を切り換え、紙や色、表現を選び、結局最終25案あまりのデザインを制作しました。書を書く時は、目の前の造形に集中しますが俯瞰にもどり、出来上がりを想像しながら制作を進めるようにすることが良い商品創りに繋がると心がけています。
入山 隆一朗 さん
5歳より書を習い始める。楷書、行書、かな、各中国古典などを学び、15歳師範免状取得。九州産業大学芸術学部グラフィックデザイン学科卒業。タイポグラフィ専門の教授に師事。印刷会社企画部勤務、3年。書を中心としたデザインを得意分野とし、パッケージデザイナー、 カリグラファーとしてデザイン会社に勤務して9年。現在に至る。優秀賞「ファッション男子の夜明けぜよ。坂本龍馬」
ポスター
優秀賞、ありがとうございました。今回の受賞作はルミネマンというファッションビルのオープンにあわせて、筆文字のみ描かせていただいたものです。JR渋谷駅の改札前の壁一面に貼り出されたポスターは3×4メートルの特大サイズ、デザイン構成は真っ白な地に墨の筆文字、それとオープンを告知する小さな赤い落款というものでしたが、そのシンプルな配色が壁面前にたむろする色とりどりのファッションをまとった渋谷の若者たちとの対比を鮮明に浮き立たせることになり、新鮮な感動を覚えました。今回はじめての応募で、初受賞。この機会を与えてくれた制作会社の皆さまをはじめ、協会の方々へ心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
石坂 修三 さん
9年間のデザイン事務所勤務を経て1983年に独立し、デザインルーム・アップルを設立。主に、流通業における販促物のデザイン制作を手がけてきたが、最近はホームページのデザインも行っている。筆文字デザインは独学、1に可読性、2に構成美をモットーとしているが、クライアントの無理難題な要求に応えられる柔軟な姿勢が最も大切か。優秀賞「川越」
カタログタイトル
この度は思いがけず昨年に引き続き日本デザイン書道大賞の優秀賞に入賞することができ、驚きと同時に大変感激しております。なんと「歌麿の里」とのダブル受賞、しかも両方とも地元川越関係のロゴ、感無量です…。実はこのロゴは、08年度「川越まつり」のポスター用に書いたもので、第一候補で提案したのですがボツにされてしまいました。伝統・歴史ある川越の蔵作りの街並みを表現したく、デザイン性よりも書作品としてのクオリティーを追求して全紙大に相当枚数書いたのがこの「川越」の文字でしたが、縁あってこの文字が外国人向けの「プレミアムツアー川越」のカタログ表紙ロゴに採用されました。
入賞「歌麿の里」
商品ロゴ
「歌麿の里」は、私の地元である小江戸川越の若手経営者グループ、川越style倶楽部がプロデュースした紅赤芋焼酎のオリジナルロゴです。筆文字だけにとどまらず、焼酎の瓶の選定からラベルデザインまで、ターゲットなど色々と考慮してつくりました。背景デザインを入れたものなど何案もご提案しましたが、シンプルな文字メインのこのデザインが採用されました。小江戸川越に遊びにいらしたら是非、歌麿の里が飲める唯一の店、黒豚劇場にもお立ち寄りいただけたら幸いです。手がけたロゴの商品がロングセラーになるような、何年経っても色あせないいいロゴを生み出したいと思います。
矢部 澄翔 さん
1976年埼玉県川越市出身。6歳から書を学び、22歳で書道師範取得。2009年顔真卿顕彰書法展「西安碑林館長賞(大賞)」他、数々の賞を受賞。06年以降、スペイン、NY、中国、韓国をはじめ全国各地で書道パフォーマンスやワークショップを展開中。また、書のシーンの映像監修や題字、ロゴ制作等も多数手がけている。入賞 「梅千代」
商品ラベル
入選に選ばれてうれしいです。有難うございます。女性がメインターゲットの梅酒「梅千代」のイメージから肩に力の入らないサラリとしたやさしい中に芯のあるイメージを心がけました。どおってことない素直な感じが自分では気に入ってます。生きていく上でも肩を張らずに素直にサラリと行ければいいのですが、クヨクヨもやもや現実はむつかしいです。今度は一歩上の賞を目指して、いい仕事をしたいと思います。その前に筆文字の仕事が回ってきますように。(祈)かなわぬ夢で終わらぬようにコツコツと練習もして準備しておきます。
澤岻 一成 さん
沖縄県在住。 広告代理店(有)クリエイツ代表取締役九州産業大学デザイン科卒、グラフィツクデザイン全般、デザインとビジネスに日々奮闘中。筆文字がからむ仕事は特に好きです。入賞 「なかの家」
店舗ロゴ
藤田 幸絵 さん
1976年生まれ。兵庫県姫路市在住。8歳より書道をはじめる。広告代理店、音楽関係、手描きPOPライターなどの仕事を経てフリーに。現在WEBサイト「筆の幸」にて筆文字の受注制作を行う。TV番組タイトル・雑誌連載題字・店舗ロゴ・Tシャツデザイン・表札など様々な業種の筆文字を手がけている。JEUGIAカルチャーセンター講師。 このたびは入選させていただき大変嬉しく思います。ありがとうございます。筆文字作品は、大阪京橋にオープンの和食居酒屋の店舗ロゴとして依頼されたものです。すでに同じ店名で既存店を展開、新店はこれまでと別のコンセプトで高級感のある洒落たイメージにされるとお聞きし、筆を執らせていただきました。和を感じるやわらかさと洗練されたシャープな雰囲気が共存するような文字を目指し、試行錯誤したのを覚えています。書とデザイン、どちらも奥が深い世界ですが、だからこそ夢中になれるおもしろさがあると感じています。『神は細部に宿る』という言葉がありますが、今後も初心を忘れずまた妥協することなく筆文字と向き合っていきたいと思います。